あなたは知ってる?生ビールの定義
皆さん、こんにちは!
飲み会の席などで、よく聞かれる「とりあえず生ビール」という言葉。
違和感なく使っているかもしれませんが、そもそもビールの「生」の定義ってご存知ですか?
「缶や瓶に入ってたら生ビールではない」
「樽詰めだから生ビール」
のように考えてる方がいらっしゃいます。
でも下の画像を見てください。
缶に入っていても「生ビール」表記になっています。
一体、生ビールとは何なのか?
本日は、生ビールの定義について説明します。
生ビールとは熱処理をしていないビール
ビールの処理方法は、大きく3種類に分けられます。
①熱処理したビール(ろ過、無ろ過問わず)
②ろ過処理したビール
③無処理のビール
これらの内、熱処理してない②と③が「生ビール」なんです。
つまり生ビールの対義語は熱処理ビールということになります。
熱処理は品質を守ることが目的
では、なぜ熱処理をするのか?
その理由は、品質の変化を抑えて保存可能期間を長くするためです。
ビールは醸造過程で、酵母が加えられ、酵母の活動によってアルコールが生成されます。
しかし、パッケージング後の瓶・缶内で酵母が活動すると、ビールの品質を保てずに、保存可能期間が極端に短くなってしまいます。
そこで熱処理によって酵母を殺して保存可能な状態にするのです。
ドイツでは、
「ビールはビール工場の煙突が見える場所で飲め」
という諺があります。
まだ熱処理法が考案されていなかった頃、ビールを美味しく飲むためには出来立てが良いということを示しています。
それくらいビールの保管は難しいということです。
ろ過処理も品質を守ることが目的
ろ過処理の目的も、熱処理と同じく品質の変化を抑えて保存期間を長くすることです。
昭和40年代前は熱処理が一般的でした。
しかし熱処理をすると、成分が変性してしまい、新鮮な風味が失われています。
そこで新たに考案されたのが、ろ過処理です。
昭和40年代に入り、0.5ミクロンほどの乳酸菌ですら取り除くことができる濾過技術が開発されたのです。
以来、ビールは熱処理をしなくても保存が効くようになり、
熱処理してないビールを「生ビール」と呼ぶことになりました。
余談ですが、
「ろ過処理ビールと無処理ビールを同じ生ビールと呼称するのは如何なものか」という議論もあったそうです。
すったもんだありましたが、どちらも生ビールとすることで決着したようですね。
ろ過をする・しないで味が変わる
下の写真は、北海道オホーツクビールで飲んだペールエールの
ろ過ビール(左)と無処理ビール(右)です。
見た目はほとんど同じに見えます。
ろ過によって酵母が取り除かれるので、濁りに違いがあるかと思いましたが、大差なさそうです。
(無処理ビールの方が色が少し濃く見える?)
でも味はまったく違いました!
ろ過ビールはスッキリした味わい。
それに対して、
無処理ビールは舌触りがまったりしています。
その舌触りはまるで、
人懐こい犬が舌の上で遊んで、そのまま喉の滑り台を滑っていったよう、
飲んでいて楽しくなります。
ろ過ビールもスッキリして美味しいのですが、
無処理ビールも違った味わいなので、機会があればぜひ飲んでみてください。
無処理ビールは、残念ながら醸造所近辺でなければ飲むのが難しいので、
旅行ついでに醸造所を巡るのがオススメですね。
まとめ
○生ビール=非熱処理ビール
○生ビールには、以下2種類がある。
1.ろ過したビール
2.無処理のビール
このネタを飲み会等で披露すれば、鼻高々になれるかも?!
缶ビールや瓶ビールのラベルにも生ビールの表記がありますので、
ぜひ気にしながら飲んでみてください!
最後まで見てくれてありがとうございました!
楽しいビールライフを過ごしてね!