ビール・発泡酒・第3のビールの違いを知っていますか?
みなさん、こんにちは!
スーパーに行けばキリン、アサヒ、サッポロ、サントリーなど様々なブランドのビールが並んでいます。
だいたい500ml缶1本あたり250円前後ですが、それよりも安い発泡酒や第3のビールを見かけたことがあると思います。
「ビールとの違いは何か?」
「なぜ発泡酒と第3のビールは安いのか?」
本日はこれらの疑問に答えていきます。
(ただし、この記事は2017年8月時点での酒税法等をもとに書いています。)
ビールと発泡酒の違いは麦芽の使用比率
ビールは、酒税法により以下のように定義されています。(2017年8月現在)
次に掲げる酒類でアルコール分が二十度未満のものをいう。
イ 麦芽、ホップ及び水を原料として発酵させたもの
ロ 麦芽、ホップ、水及び麦その他の政令で定める物品を原料として発酵させたもの(その原料中当該政令で定める物品の重量の合計が麦芽の重量の百分の五十を超えないものに限る。)(酒税法 第3条第12条より引用)
政令で定める物品とは、米・トウモロコシ・デンプン・ジャガイモなどで、ビールの味を変化させるために利用されます。
特に重要な文言は、
「その原料中当該政令で定める物品の重量の合計が麦芽の重量の百分の五十を超えないものに限る」
この部分です。
ほとんどのケースでは、麦芽比率でビールか否か決定します。
つまり指定された物品が、
と分類でき、
左はエビス(ビール)、右は淡麗(発泡酒)です。
第3のビールには2種類ある
発泡酒は先に述べたとおりですが、
一方の第3のビールは、大きく2種類に分けられます。
①「その他の醸造酒(発泡性)」
そもそも「麦」が入っていません。
それでもビールの風味があるのは、麦風味の原料を使用しているからです。
例えば、「のどごし生」であれば大豆タンパクを利用しています。
まさか大豆由来の成分がビールの風味を生み出していたことは驚きですね。
②「リキュール(発泡性)」
スピリッツとはジン・ウィスキー・焼酎などの蒸留酒のことで、
麦を原料としたスピリッツを発泡酒に加えたお酒です。
例えば、「金麦」であれば発泡酒に小麦由来のスピリッツを加えています。
第3のビールでは、
〇ビール風味の成分を使用している(その他の醸造酒)
〇麦由来のスピリッツを使用している(リキュール)
といえます。
発泡酒・第3のビールの酒税は安い
第3のビール「その他の醸造酒(発泡性)」と「リキュール(発泡性)」両方とも課税上では、
アルコール度数10度未満で発泡性がある「その他の発泡性酒類」と分類されます。
引用:財務省 https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/123.htm
なんと「第3のビール」と「ビール」では2倍以上税額に差があります。
各企業がより安くお酒を提供しようとする努力のおかげで、第3のビールが販売されているわけですね。
酒税法の改正によりビールが安くなる?
2017年8月時点では、ビール・発泡酒・第3のビールでは酒税が異なり、ビールの酒税が最も高いです。
しかし、2020年から2026年にかけて税額が段階的に変化し、
最終的には、ビール・発泡酒・第3のビールすべての税額が55円(350mLあたり)に統一されます。
そうなれば、ビールは現在の価格よりも安くなる可能性があるので、ビール好きには朗報ですね。
一方で、第3のビールには「プリン体0」や「糖質0」などを謳っているものもあるので、健康志向で購入されていた方には残念です。
まとめ
今回はビール・発泡酒・第3のビールの定義と、酒税法による分類についての説明でした。
指定された物品(米、トウモロコシ、ジャガイモなど)が、
第3のビールは、以下の2種類です。
①麦をまったく使用しない「その他の醸造酒」
②発泡酒をスピリッツで割った「リキュール」
酒税は、
2017年8月時点では、「ビール>発泡酒>第3のビール」の順番で高く、
2026年には、「ビール=発泡酒=第3のビール」となります。
普段スーパーで見慣れていますが、実際には知られていないものです。
ぜひ次回のお酒の席で披露してみてください!
最後まで見てくださってありがとうございました。