ラガーとエールで楽しみ方を変えてみる
「ラガー」や「エール」という言葉を聞いたことはありますか?
これらはビールの種類を表す言葉で、それぞれの味や香りは大きく違います。
珍しいビールを見つけたとして、そのビールが「ラガー」か「エール」のどちらかわかると、どのように味わえばよいかも想像がつくようになります。
ビールを大きく分けると「ラガー」と「エール」
ビールは大きく分けると、「ラガー」タイプと「エール」タイプに分けられます。
ラガータイプは、一般的にスッキリした飲みやすいのが特徴。
エールタイプは、豊かな香りと味わいが特徴で、じっくり味わう飲み方が適します。
さらに、これらのタイプから下図のように様々なスタイルが派生します。
例えば、国内で広く愛飲されているキリン、サッポロ、アサヒなどのビールは、
ラガータイプに分類されるピルスナーというスタイルです。
ピルスナーは、金色の液体、しっかりした苦み、キリリとした炭酸を特徴とするビールで、高温多湿な日本の夏にぴったりなビールです。
さらに、世界中にあるビアスタイルは100種類以上とも言われており、国内で普段多く飲まれているピルスナーは、それらの中のたった1種類なんです。
ラガーとエールは発酵の温度・酵母によって決まる
ラガーは別名「下面発酵」と呼ばれ、
5~10℃の低温で7~10日ほどかけてじっくり発酵させ、酵母は発酵タンクの底に凝集します。
エールは別名「上面発酵」と呼ばれ、
ラガーよりも高温の15~25℃で3~5日ほどの短期間で発酵させ、酵母は炭酸ガスとともに液表面に浮かびあがります。
この表は、ラガーとエールの発酵温度・発酵および熟成期間をまとめたものです。
ただし、熟成期間については、酵母やビールの種類によって様々なので、一概には言えませんが、少なくともエールの熟成期間はラガーよりは短い傾向にあります。
ちなみに、ラガーとはドイツ語で「貯蔵」を意味する「ラーゲルン(lagern)」が由来です。
ラガーはじっくり発酵させるだけでなく、その後のビール熟成・貯蔵も長期にわたり行われることもあって、「ラガー」と呼ばれているのです。
明治時代から現代までラガーが中心
日本のビール醸造の歴史は、明治時代の1869年に外国人が開業したジャパンブルワリーから始まります。
その後、日本人の手によってエールやラガーが造られ始めますが、
結局、キリンやエビスなどのラガー中心となりました。
理由は様々ありますが、やはり高温多湿でさっぱりした喉ごしのビールは大衆から愛されていたようです。
そして現代でもラガービールは飲まれており、ビール全体の9割以上のシェアを占めてているほどです。
ただ、最近はエールビールも造られるようになり、ジワジワと人気が出ています。
中にはエールビール専門の醸造会社(ヤッホーブルーイングなど)があるほどです。
また、大手ビールメーカーでも一部エールが販売されています。
例えば、サントリーから販売されている「香るエール」は、フルーティな香りが特徴的で、非常におススメです。
また、コンビニで気軽に購入できるのも良いですね。
少しずつビールの種類が増えている!
現在、まだまだラガーのシェアが多いですが、クラフトビールをはじめ大手ビールメーカーでもエールを造り始めています。
これまでほとんどバリュエーションのなかったビール業界ですが、少しずつ活性化してきています。
ビール好きには朗報ですし、
これまでビールが苦手だった人でも飲めるようなビールが登場するかも?!
楽しみに待ってましょう!
そして、これまではラガーのピルスナー中心だったので、
「ビールの楽しみ方」=「苦み感じながら、のどごしスッキリ」
という具合でした。
でも、ビールのバリュエーションが増えれば、
香りを楽しんだり、
甘さや酸味を楽しんだり、
これまでにはなかった楽しみ方のバリュエーションも増えます。
ビールの楽しみ方については、下にリンクを張りますので、ぜひご覧ください!
最後まで見てくださってありがとうございます。
楽しいビールライフを過ごしてください!